看護学部生シアトルボランティア記

日本で看護を学ぶ大学生が1ヶ月アメリカワシントン州シアトルの高齢者施設でのボランティアの経験とその生活模様を綴るブログです。

延命措置・治療の選択

こちらでは入居時、入居中に延命措置の意思決定を全ての人に必ず行っています。そしてその意思は必ず尊重され、食事や投薬、治療すべてにそれが影響を受けます。それらのインフォメーションは居住者のファイルに入っているため、常に確認することができます。そして基本的には3ヶ月に1度考えに変化がないか確認をするそうです。

心肺蘇生は、かなりきっちりとするのか、ほどほどにするのか、しないのか、

治療についてはFull treatment、Limit Additional treatment 、Comfort、

の3つからいずれか選ぶことができます。

日本で生活してとにかく長く生かすことを良しとする医療をそれなりに当然だと思っていた私は、生かすための治療がどれだけ高齢者にとって時には身体的、精神的、経済的に負担がかかることなのかということを考えたことがありませんでした。

また、興味深かったのはMedicaid(日本で言う生活保護)を受給している方も平等にFull treatmentを受けるという選択ができるということでした。保険によって受ける医療がとっても厳密に決められている国で、これらの人達がFull Treatmentを選ぶ権利があるということは、やはり弱い立場の人は守られなければならないという絶対的な考えがあることに起因しているのかもしれません。